どこまで東京?というサイトには、Webビジネスの新規事業投資において学ぶべき事があると思いますので、詳しく紹介します。結論から申し上げれば「Webビジネスの立ち上げは(極端にやれば)ここまでローコストになる」「Webビジネスにはシステム開発が必要だ、というのは思いこみに過ぎない」ということを「どこまで東京?」を例にお伝えしたいと思います。
(※旧タイトルは「Webビジネス新規事業への賢い投資術~「どこまで東京?」に学ぶ:(1) 企業の金銭感覚」)
まず「どこまで東京?」が、どんなサイトであるかについて:
「どこまで東京?」とは、みなさんの"イメージの中の東京"をあきらかにしようではないか、という何の役にも立たないプロジェクトです。
実際の都境界線とは関係なく「東京ってここまでだよなー」というイメージをぼくにお伝えください。
みなさんの総合意見を元にぼくが勝手な判断で、みんなの「ここまで東京」を統合し「最新の『ここまで東京』」として発表します。
「お題に対して読者が投稿し、それを編集者が面白おかしく紹介することで成立する、コール&レスポンス型メディア(コンテンツ)」という感じでしょうか。Webサイト設計者の観点からは、バカ日本地図、ほぼ日のオトナ語の謎。や言いまつがいなどを連想します。
■企業の金銭感覚
さて、「どこまで東京?」はビジネスではないようですが、「仮に企業サイトだったら、どうなるか?」という想定で考えてみたいと思います。(このような形で「どこまで東京?」を紹介することについて快諾いただきありがとうございました)
具体的にイメージするため、条件を付け加えてみます。「どこまで東京?」がキャンペーンサイトではなく「事業」として運営されると仮定します。運営企業は地図出版社で、マネタイズ(収益化)の手段を「書籍化」だとすれば、CSFは「企画がウケて、それにより投稿が集まること」で、KGI は「投稿数」で、KPI は「PV, UU, 一人当たり投稿数, リピート訪問数, 率」など。
さて、多くの企業は「どこまで東京?」のようなサイトを作るとき、もっとお金のかかるやり方をします。だいたい、当たり前のように300~500万円くらい投資するのではないかと思います。うち大部分はサイトの開発費で、とくにシステム開発費の締める部分が半分以上になるのではないでしょうか(※)。以後、投資≒サイト開発費として、あまり区別しないことにします。
※サイト開発費-システム開発費=デザイン・制作費、ネットワーク・インフラ費などへの投資。投資総額-サイト開発費=広告・広報など諸々の費用。言い換えれば、「社内には企画担当者のみで、開発部隊が無い会社における支出額」のイメージです。
すでに「どこまで東京?」を見てしまっていると思うので、いったん忘れてください。そのうえで、「どこまでが【東京】なのか、というテーマには語るに十分な面白さがあり、それをネット上のユーザ参加型・投稿型メディアとして運営することで、将来の書籍化・出版事業による回収を目的として云々」という企画があったと想定してみて頂きたいのです。どういう風に物事が進みますか?
- 「ならば地図を押し出したUIで」
- 「ユーザが地図に一筆書きで線を引いて投稿できるシステムを採用して」
- 「投稿を審査するための管理画面を用意して」
- 「クチコミを期待してブログパーツを用意して」
- 「もし大ヒットしたらサーバが落ちるので十分なネットワーク・インフラを」
という話になり、すぐに300〜500万円くらいの投資案件になるのではないでしょうか?
■どこまで削れるか
先ほど、サイト開発費だけで300~500万円くらいの予算規模になりそうだ、と言いました。
私は30~50万円に抑えたい。(続く)