2010年5月アーカイブ

Lens Finder for iPad (1dayプロトタイピング)

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1dayプロトタイピング」の第2弾は「Lens Finder」です。「iPadで買い物がどう変わるか」について考えて、今回のテーマは「デジタル一眼レフカメラ(デジイチ)初心者のために、撮りたい写真からレンズを選べるサービス」を作ることにしました。

「いい感じにボケたポートレイトを撮りたい」といった動機でデジイチを購入したものの、キットのレンズではそういうのが撮れなくて不満、どのレンズを買えばいいのかわからない、といった人のためのサービスです。

企画の様子

1つ目の動画 (126:28)
lensfinder1.png

プロトタイピングするテーマを決めるための会議から、 ワイヤーフレームを描くところまで。 2時間の退屈な動画ですので、全部見ることはおすすめしません。ホワイトボードにUIデザインを描いていく1:30:00くらいからは少し面白いかもしれません。

プロトタイピング

2つ目の動画(7:20)
lensfinder2.png

企画会議から3時間くらいでプロトタイプ(UIモック)ができました。それを見ながら議論しています。

プロトタイプ(UIモック)

※iPadでご覧ください。すべての機能は実装されていません。ボタンを押しても反応がなかったりします。

最初のプロトタイプ(UIモック)です:Lens Finder ファーストモック

後日、改良したプロトタイプ(UIモック)です:Lens Finder セカンドモック

今後の予定

プロトタイプ(UIモック)を、実際に動作するサービス(プロダクト)にするために、下記のような開発が必要だと考えています。

  • 自動的にFlickrの写真を検索する機能の実装。
  • 写真の撮影条件から、その写真の撮影機材(カメラボディ&レンズ)を推定し、提示する機能の実装。
  • Amazonの該当商品リストを表示する機能。

完成させるためには追加開発が必要です。現状では完成させるかどうか未定です。ご意見・ご要望をお待ちしています。

献立Pad for iPad (1dayプロトタイピング)

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1dayプロトタイピング」の第1弾は「献立Pad for iPad」です。一日で、企画会議から、高速に試作品を作って、モニターテスト可能な状態にしました。

経緯

iPad(タッチ式タブレット)が拡張する生活」の状況(シーン)を発想・模索して、まずは「料理・台所」というテーマを選びました。単品のレシピではなく、一食の献立を提案するサービスを作ることにしました。

レシピのデータベース(クックパッドなど)と特売情報/チラシ(タウンマーケット、シュフモなど)を組み合わせて、毎日の献立を考えるための道具が作れないか、と考えました。

早速、HTMLモックを作って、iPadに表示できる状態まで制作しました。

翌日(土曜日)にピクニックの場を借りてモニターテストを実施しました。

今後の予定

レシピサイトとスーパー特売チラシサイトのデータを組み合わせるロジックの開発など。

完成させるためには追加開発が必要です。現状では完成させるかどうか未定です。ご意見・ご要望をお待ちしています。

関連リンク

プラットフォーム化するTwitter

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Twitterはアプリケーションでありつつも、むしろインフラのレイヤーでその地位を確固たるものにしようとしているように見えます。それはおそらく妥当な戦略ですが、迷走している部分もあります。

アノテーション機能

ツイートにアノテーション(Twannotationsというメタデータ)を持たせることが可能になるそうです。市場競争の結果(自生的秩序)として標準が定まっていく、デファクト・スタンダード指向の緩い規格提案のようです。microformatsを連想させます。

アノテーション機能の重要性はこれから用途が模索されるなかで明らかになっていくでしょうが、一つ指摘すれば、これはインターネット・メールにMIME(Multipurpose Internet Mail Extension)規格が拡張されたのに匹敵するインパクトです。メールにファイルを添付できるのはMIME規格のおかげですし、HTMLメールも同様です。また、MIME規格はHTTPの基礎にもなりました。メールのリッチ化にとって重要な規格だったわけですが、まさにツイートのリッチ化においてアノテーション機能は重要な役割を果たすでしょう。

さらに重要なのは、アノテーションには何を入れても良い、とKrikorianが書いていることだ。Twitterはデベロッパーが始めるにあたってある程度推奨することはあっても、制限は一切しないつもりのようだ。

Twitterプラットフォームの長期戦略

また、Twitterプラットフォームの長期戦略概要が発表されました:「長期的ユーザー体験が第一」―Twitter、サードパーティーのタイムライン内広告を全面禁止

Twitterはまた注釈(アノテーション)機能のローンチに伴って、Twitterプラットフォームを利用するスタートアップにとってきわめて大きなビジネスチャンスがもたらされるはずだと指摘した。

スパム広告によりユーザー体験が損なわれることを禁止するのも、通信会社が回線品質を気にするだけでなく、その内容まで責任を持とうとするようなものです。携帯電話会社が青少年に不適切なコンテンツのフィルタリングをするような。

Twitter〈プラットフォーム〉という自己規定

この「アノテーション機能」と、今回の「長期戦略」の発表、いずれも〈インフラ〉や〈プラットフォーム〉としての自己規定が現れています。Twitter社はあくまでプラットフォーマー。その上のレイヤー(アプリ)については他者(サード・パーティー)に任せる、というスタンスです。

〈プラットフォーム〉に徹しきれない危うさ

ただ、気になるのは、これと相反する動きです。Twitterは公式iPhoneアプリをリリースしました(TweetieというiPhoneを買収したのち改造して)。これは〈プラットフォーマー〉という公式の(あるいは客観的な)立場を、自ら揺るがせるものです。iPhoneやAndroid向けにTwitterアプリを開発しているサード・パーティーは不信感を抱きかねません。公式アプリの不在がサード・パーティーの公平な競争環境の基礎だったのです。私ならサード・パーティーの疑心暗鬼を払拭するために、早急な公式見解を発表するでしょう。今後のTwitter社の発表から、こういったことも読み取れるはずです。

プラットフォーム化の帰結

将来的にはTwitter上に新たなプラットフォーム・オン・プラットフォーム(つまりTwitter上の何か;something on Twitter)が登場する可能性があります。これはアーキテクチャの生態系がそのように発展してきたし、おそらくこれからもそうであるから、という予想です。

そして、「上」のレイヤーに新たなプラットフォームが登場しても、Twitterの事業が致命的な打撃を受けるわけではありません。急成長を終えて成熟・衰退していくでしょうが、長期的には「金のなる木」として利益率を高めていくことも可能でしょう。この場合、Twitterにとっての脅威は、自身と同じレイヤーの競合、具体的にはFacebookなどです。また別の可能性としては、P2P型などの分散型プラットフォームの登場により、自らがthe Twitterという絶対強者からone of Twitter platformsに格下げ(相対化)されることです。

ともあれ、今後Twitterと連携するアプリケーションやプラットフォームを開発していくならば、Twitterの長期的戦略やロードマップを意識しておいたほうがよさそうです。

アーキテクチャの生態系――情報環境はいかに設計されてきたか
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IDEOが2年連続でFortuneのMBA就職人気トップ100企業にランクイン

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4.95%の学生が投票して第18位だそうです。ちなみに昨年は15位。"Design Thinking"がビジネスの常識として定着しつつある、ということでしょうか。 via IDEO Named a Top MBA Employer by Fortune Magazine

デザイン思考が世界を変える―イノベーションを導く新しい考え方 (ハヤカワ新書juice)

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iPad(タッチ式タブレット)が拡張する生活

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iPadを契機に〈タッチ式タブレット〉という製品カテゴリが立ち上がる可能性があります。〈タッチ式タブレット〉は、従来の「コンピューティング」の枠を超え、生活に入り込めるものです。膨大な「ノン"PC"ユーザー」が、日常的に、当たり前に、生活の一部としてウェブを活用し始める契機になるでしょう。

※追記(2010年6月11日)iPad的製品カテゴリの名称は? →「ウェブタブレット」など。

お断り:本記事ではパーソナル・コンピューティングの側面(とくに仕事以外での)について論じています。

余暇と姿勢

私はCrunchPadが巨大ビジネスになるとは始めから思っていなかった。ソファにのんびり座ってインターネットを楽しめるような手頃なタブレット・コンピュータが欲しかっただけだ。

Michael Arrington

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さて、iPad発表の前に、TechCrunchがCrunchPadというデバイスを開発していました。プロジェクト自体は発売前に残念な事件がありましたが、そのコンセプトは素晴らしいものでした。

ソファにのんびり座ってインターネットを楽しめるような手頃なタブレット・コンピュータ

なぜこのコンセプトが素晴らしいか?

それは、ウェブサイトや動画コンテンツを楽しむための〈姿勢〉・〈身体性〉に着目しているからです。とくに、仕事や作業ではない、純粋に余暇のためのデバイスというコンセプトの新しさです。

※それ以前にもChumbyなどの様々なデバイスが提案されてきましたが、iPadは初の大規模成功事例になるでしょう。

"PC"の暗黙の前提

「従来型のPC」あるいは「狭義のPC」の特質を確認しておきます。

我々は、ウェブサイトにアクセスしたり、動画を視聴したり、という行為(余暇的コンピューティング)を"PC"という道具で行ってきました。それが当たり前でした。我々には、"PC"か携帯電話か、二通りの選択肢しかなかったのですから。

しかし、"PC"や携帯電話を用いたそれらの行為には無理がありました。そのことは、iPadやCrunchPadなどの「タッチ式タブレットデバイス」が提案されることで浮き彫りになりました。

携帯電話における無理矢理さは、端的にその画面の小ささに由来します。

無理な姿勢

PCにおける無理矢理さを考える上では、まずPCがどのように設計されているかを確認する必要があります。

PCは"VDT (Visual Display Terminal)"とも呼ばれますが、事務作業の道具です。

  • 人間工学的に長時間の作業に適した姿勢をサポートするデスクとチェア
  • デスクに水平に設置された入力装置(キーボードとマウス)
  • デスクに垂直に設置された出力装置(画面)

vdt.gif

図版引用元:VDT Workstation Design Guidelines | Environmental Health and Safety | University of Pittsburgh

さて、そのうえで、次のように考えてみてください。

我々は常にデスクで雑誌を読むでしょうか?

我々は常にデスクでテレビを観るでしょうか?

多くの人はリビングのソファで、あるいはベッドに寝ころんで、雑誌やテレビを楽しみます。もちろん、デスクを使うこともあるでしょうけれど、気分(モード)に応じた姿勢を自然に取ります。くつろぎたければ、自然とソファに腰掛けたりするものです。

これで"PC"や携帯電話による余暇的コンピューティングの「無理矢理さ」がお分かりになったでしょう。我々は事務作業のための"PC"によって余暇的コンピューティングを楽しんでいました。例えばYouTubeを視聴したり。しかし、それは「行為に適していないデバイス」で無理矢理に行っていたに過ぎない、と言えるのではないでしょうか。

余暇のリラックスした姿勢とは、ソファに深く腰掛けたり、ベッドに寝そべった姿勢です。そのような姿勢でデスクトップPCを用いることはできませんし、ノートPCも不自由です。(実際にやってみればすぐ分かることです)

また、そのようなリラックスした状況に適しているのがタブレットデバイスです。iPadでYouTubeを視聴する体験は(PCでのそれに比べて)素晴らしいものです。

タブレットの再発見

ここで疑問を持たれるかもしれません。「これまでもWindowsのタブレットPCはあった。どう違うのか?」と。これまでのタブレットPCは、あくまで事務作業の道具でした。余暇のためのデバイスではなかったのです。

iPadは単にタッチ式タブレットというだけではなく、「余暇に重きを置いたデザイン」によって新たなコンピューティングの領域を切り開く点において革新的なのです。iPadはリビングやベッドルームでのんびり使うのに適しています。Safariでウェブサイトを読んだり、YouTubeで動画を見たり、電子書籍を読んだり。

「ノンPCユーザー」とユーザーインタフェイス

iPadは、キーボードアレルギーの人でも使える〈パーソナル・コンピューター〉になるでしょう。

ここで本記事初の〈パーソナル・コンピューター〉という表記を用いました。ここまで"PC"という表記で意味していたのは、狭義の、従来型の、事務機器としてのPCですが、それは〈パーソナル・コンピューティング〉の一側面に過ぎません(オフコン→ミニコン→ワークステーション→PCというOA史における「一人一台」化)。そこでは〈パーソナル・コンピューティング〉の余暇的側面が失われています。

もちろん自宅で余暇のために"PC"を用いる人々は日本に数千万人いるでしょう。しかし、そうしない人々も同じく数千万人いるでしょう。"PC"ユーザーはあたかも飽和したかのようですが、自宅における余暇としての〈パーソナル・コンピューティング〉がどれほど飽和したと言えるのでしょう? iPad後の情報通信を考える上で、この広大な未開拓市場に思いを馳せないわけにはいきません。

iPadは、この点でも革新的です。このブログを読んでいる方々は、当たり前にキーボードを使いこなしていると思いますが、キーボードを触りたくないという人は少なくありません。そして、ウェブのコンテンツを楽しむだけなら、キーボードは大して必要ないはずなのです。

したがってデバイスの設計としてはiPadのようにソフトウェア・キーボードで十分です。また、ウェブサイトのほうも、なるべく煩わしいキーボード入力をせずに楽しめるナビゲーションをデザインしていくことができます。

画面を直接触って操作する。このユーザーインタフェイスの革新は、もっと人々に寄り添った〈パーソナル・コンピューティング〉の契機となるはずです。

まとめ

iPadは (1) 余暇の姿勢に適した形状 (2) 画面を直接触って操作する易しいユーザーインタフェイスによって、〈パーソナル・コンピューティング〉の地平を広げるでしょう。

メッセージ

iPadを始めとするタッチ式タブレットデバイスの登場によって、ウェブ・アーキテクトは生活に寄り添った提案をする機会を与えられました。この大変革の時期に、次のパーソナル・コンピューティングを定義するのは我々です。有意義な仕事をしましょう。

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