ほんとうのアイデア - 岩田聡/宮本茂/佐藤可士和/深沢直人
09-09-28
posted by
石橋秀仁
「アイデアは数が大事だ」たしかにアイデアを出す過程では「数」が大事。アイデアを大量に出すためにブレイン・ストーミング(ブレスト)という手法もあります。しかし、最終的に採用するアイデアは一つです。そして、最終的な検討に値する「ほんとうのアイデア」も、一つか二つなのだと思います。
HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN - 1101.com
任天堂の岩田社長が遊びに来たので、 みんなでご飯を食べながら話を聞いたのだ。
アイデアというのはなにか?:
問題となっている事象の根源を辿っていくと、
いくつもの別の症状に見える問題が
じつは根っこでつながってることがあったり、
ひとつを変えると、
一見つながりが見えなかった
別のところにも影響があって、
いろんな問題がいっしょになくなったりする。
そういうふうに、ひとつのアイデアが
いろんな問題をいっぺんに解決して、
全体を一気に見渡せたそのときに、
宮本さんは「わかったよ」って、
人に電話をかけたくなるんでしょうね。
ほんとうのアイデアは、多くの問題を同時に解決し、あたかも矛盾に見えているトレードオフを解消する。
ロングインタビュー 佐藤可士和(3) | R25:
ある日、佐藤は案をいくつ作るのかと尋ねた。クライアントに案を出す際にはカラーの違ういくつかの案を出すのが一般的だ。答えを聞いて、赤面したという。
--「できただけ」。
「大貫さんの"案ができた"っていうのは、あらゆる意味でのパズルが解けてるパーフェクトな答え。だから、そんなにいっぱいはできない。ほとんど1個ですね。そのぐらい本質的なところに入っていく。すごい衝撃でした」
ほんとうのアイデアは、いくつもできない。
深澤直人、デザインを語る。|エキサイトイズム:
−深澤さんは、最初の打ち合わせの時点で既にアイデアが頭に浮かんでいるそうですね。そして、ひとつのアイデアしかプレゼンしないと。
深澤
そうですね。周りの生活や状況から割り出しているわけですから、その輪郭はいくつもないはずです。その状況において「これが一番合っている」となるわけな ので、いくつもプランがあったらおかしいのです。 最初に「これはこれで合ってますよね?」「ああ、合ってますね」「じゃあ作ってみましょうか」というやりとりがあって、やってみたらやはりズレがある場合 も、もちろんあります。その場合は、修正してズレが直せればいいし、修正したら、ものもアイデアも崩れてしまうような場合は捨ててしまうこともあります。 9割完成していたとして、それでもいいから出そうとはしません。それは「もうやめましょう」ともちかけます。
あらゆる意味でパズルが解けている(かもしれない)、ほんとうの答え(の候補)があるならば、プロトタイピングに着手する。論より証拠。
→プロトタイピングによるフィジビリ(F/S)とは? - ZEROBASE Journal
HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN - 1101.com
任天堂の岩田社長が遊びに来たので、 みんなでご飯を食べながら話を聞いたのだ。
肩越しの視線:
神様じゃないので、それなりに間違うんです。
それをどうやって補正してるかというと、
社内から、そのゲーム触ったことのない人を
ひとり、さらってくるんですよ。
さらってきて、なにも説明せずに、
いきなりポンとコントローラーを握らせて
「さあ、やれ」って言うんですよ。
(略)
で、「さあ、やってみ」って言ってね、
なんにも言わないで後ろから見てるんですよ。
わたしは、それを
「宮本さんの肩越しの視線」と呼んでたんですけど。
(略)
なにも知らない人がそれを遊ぶのを見て、
「あ、ここわからないのか」とか、
「あそこに仕込んだ仕掛けは
とうとう気づかずに先に行ってしまった」とか、
「先に、これやってくれないと、あとで困るのに」
というようなことが、後ろから見ていると、
山ほどあることがわかるんです。
お客さんが、前提知識がない状態で、
どんな反応をするかがわかるんですね。
だから、宮本さんは、自分がどんなに
実績のあるゲームデザイナーであろうと、
「お客さんがわからなかったものは
自分が間違ってる」
というところから入るんですよ。
設計者やクライアントの意見ではなく、ユーザーの行動を観察することで、誤りを修正する。
※玄人さんへ: 「肩越しの視線」は、まさにユーザビリティテスト、オブザベーションですね。
まとめ:
* ほんとうのアイデアは、多くの問題や矛盾を同時に解消する。
* ほんとうのアイデアは、いくつもできない。
* 論より証拠。企画書よりプロトタイプ。
* アイデアを検証するために、ユーザーの行動を観察する。
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