最終更新日
3月20日

プロダクトにできることを業種/職種で区切らず考える

 

posted by
石橋秀仁

ふと思いました。

HP の調査によると、家庭でのプリント枚数のうち、Web ページのプリントは約半数を占めるという。この結果を受けて、Web ページのプリントが可能な「HP Smart Web Printing」機能を全機種に搭載した。(via Japan.internet.com E-コマース - 日本 HP、Web ページのプリントを強化した家庭向けインクジェットプリンタ6機種)

いまに始まったことではないでしょうけれども、プリンタの付加価値をソフトウェアで実現する、という。しかも「プリンタ・ドライバ」や「プリンタ・ユーティリティ」というよりも、かなり「アプリケーション」に近いレイヤーのソフトウェアで、プリンタの付加価値を高めている。

そもそも「HP の調査によると、家庭でのプリント枚数のうち、Web ページのプリントは約半数」というのがきっかけになった、マーケット・イン的なアプローチの商品開発事例なのだと想像しますが。

社内に「ハード屋」「ソフト屋」「企画屋」の壁があったら実現しにくい商品だろうと思いました。うまいこと協力し合ってできたんでしょうね。(※内容から言ってあまり「ハード屋」の協力は要しない感じもしますが)

それにしても、「実現すべき価値(value)」から発想して、「その手段」を探していく、という商品開発の成功事例がたくさん出てきているのでワクワクしています。

日経ビジネス2007年9月10日号の特集「顧客を裏切る」は必見です。とくに36ページ、三洋電機「アクア」の事例。「2006年3月の発売以降、後継機種もあわせて累計12万台を出荷」とあります。

「洗濯機とは、水で衣類を洗うもの」。三洋電機の横断化プロジェクトチームが疑ったのはこんな前提だ。 「水で」という方法論も、「衣類を」という対象も、たまたま技術的に選択肢がないからという理由で限定されているに過ぎない、という事実に気づいたのだ。

これがまさに「ゼロベース思考」というやつで(※手前味噌ではなくて辞書にも載ってる一般語です)、これができれば「新しい領域を開拓する」のは半ばできたようなもの。技術、機能、価格など考えるべき事は山積みですが、しかし、こういうコンセプトがなければユニークさの無いつまらない商品を作って終わり。

こういう記事になる成功事例ばかりではなく、コンセプトは画期的だけど失敗したプロダクトだってたくさんあるでしょう。ただ、コンセプトがよくてもインプリがダメだったケースのほうが多いのではないでしょうか? あるいは、コンセプトが自社でやるには無理がある絵空事だったか。

「自社で実行可能で、画期的なコンセプト」というのは、ちゃんとインプリすれば、かなり「戦える」企画になるんじゃないかなと。「戦える」というのは市場における競争力があるという意味で。そもそも既存の競争ルールに載らないところで新しい領域を開拓するのだからブルーオーシャンになるはずです。あとは開拓力、つまりマーケティングの力のほうが問題になるかなと。

あ、最初のHPの例は悪かった。三洋電機のアクアと比べてはいけないですね。これはちょっと比べられないくらいアクアが成功例なので。

逆の視点で、メディアが「成功事例」として取り上げるような大成功ばかりではなく、ちょっと気になる小さなニュースから学べることもたくさんあります。冒頭で「ふと思った」としてHPの記事を紹介したところから広げたのが実例です。日経ビジネスの記事は書きながら思い出したので書き加えましたw

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