コンピューティング=あちら側
08-03-30
posted by
石橋秀仁
コンピューティングはいずれ「あちら側」の問題になると思います。いわゆる「クラウド・コンピューティング」とか「いずれ世界には5つのコンピュータしか存在しなくなるだろう(Google, Yahoo!, Amazon, Microsoft, IBM)」といった話です。
そこに至る障害は何か。回線とストレージではないか。とくにストレージのほうについては「アップロード」という概念を無くすことができるかどうか。
それからもう一つ。画像ファイルの「アップロード」。慣れていない方にとって、ローカルとリモートの間にはもの凄い壁がある。初心者向けホームページ作成講座を何度か担当したことがあるけれど、「インターネットの仕組み」を最初に説明しておかないと、FTPでファイル転送するところでハマるんだった。今日はCMSだからと油断して、そこをはしょってしまったのは失敗。
「こちら側(PC)」と「あちら側(クラウド)」が混在するからわかりにくいのだと思います。すべてが「あちら」にあって、相対的な「こちら」の存在がなくなったときに「コンピューティング=あちら側」となります。
そのときのユーザ体験は、下記の記事に書いてあるBox.net, OpenBoxのようなものになると思います。
あたかもBoxにあるファイルをウェブ上のサービスで開いてBoxに保存しているかのような操作感が実現されています。
これまでもBoxでやられていることの一部はブックマークレットなどで実現することができました。しかしそれがサービスにあらかじめ組み込まれていて、普段使っているOSに似た操作で"ウェブ上のサービスを起動する"感覚で利用できるようになっているのは、一般的なユーザにとって新鮮なのではないでしょうか。
もうひとつ問題が。データが最初から「あちら」にない限り「アップロード」という操作、概念が残ってしまう。
これを廃止しないといけない。
すべての新規データが「あちら側」のアプリで生成されればいい。
デバイスから直接「あちら」へのアップロードが自動的におこなわれるようになればいい。たとえば携帯電話で写真を撮影したら、自動的にサーバに転送される。そのデータにOpenBox的APIでアクセスできる。
こうなると、もはや「あちら/こちら」という概念が無くなると思うんです。「コンピューティング=あちら側」そのほうがユーザにとっては分かりやすいと思います。Internet Explorerのアイコンを「インターネット」と呼ぶ感覚で。
例えば「あちら(発電所)/こちら(自家発電)」とか「あちら(水道)/こちら(井戸)」なんて区別しませんよね。
「データがどこにあるか」なんて本質じゃない。そういう「本質的じゃないこと」を考えずにすむこと。それが「成熟」のはず。
余談:いずれWebアプリ間のデータ連携に関する標準規格の策定が必要になってくるでしょうね。例えばBox.netからPicnikに転送して編集した写真を保存したらBox.netに書きもどされるわけですが、Picnik側のデータは残るのか、削除されるのか。残すならデータ保有者の許可が前提になるし、許可を得ずに勝手にデータを保存するのは問題になるはず(データ・ポータビリティの概念に反する)。こういった面の標準化が必要でしょう。
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