最終更新日
3月20日

システム同定の演繹/帰納アプローチ

 

posted by
石橋秀仁

「なるべくシンプルなモデル(=少ない変数、かんたんな方程式)で説明しよう」というシステム同定。同じ目的でも、二つのアプローチ。帰納的な多変量解析や回帰分析など。演繹的なモンテカルロ・シミュレーションにおける感度分析など。

ダイナミズム、動的なプロセスなら、時間軸が入ってくる微分方程式モデル。系にフィードバック(循環・ループ)があるなら、制御工学で使うブロック線図で。より数学的「でない」かんたんな表現法がシステムズ・シンキング(システム思考)で使う因果ループ図

実際に考えるときはこの逆に因果ループ図→ブロック線図と考えていけばいい。そのうえで、現実のデータにあうパラメータを探る(システム同定)。そこで、ランダムな試行を繰り返して最小二乗法で誤算を最小にするとかなんとか。力業も必要。モンテカルロ・シミュレーションのツール(CrystalBallなど)をこの目的に使うこともできると思う。

といったことを、この記事を拝見して思ったのでした:isologue - by 磯崎哲也事務所: 社会は「計算」できるか?

社会というのは、データも非常に複雑なので、株価など、実際の「予測」なんかに使うというのは、そういうアプローチでは極めて困難かと思います。

しかし、良く考えてみると、上記のGRAPEプロジェクトなども、正確な「予測」をしようというものというよりも、宇宙背景放射のごく小さな揺らぎから始めて物質間に働く重力をシミュレーションすると、現在の宇宙の大規模構造と非常に似たような構造になるとか、地球に火星規模の天体が衝突したら衛星(月)ができるのか、といった、比較的マクロな「構造」のお話だったりするわけです。

ハイエクやミーゼスの経済計算論争などからもわかるとおり、「社会」においては、一般均衡など非常に簡単な話でもNP問題になって、まともにやろうとすると、すぐ、ものすごい計算量が必要になっちゃうわけですが、社会というのは、そんな膨大な計算処理をするわけはなく、そうした情報処理をしなくて済む「構造」を作るはずなわけです。 (それが、ガバナンスとか「信用」といったものになるかと思いますが。)

新規事業の不確実性 (ZEROBASE BLOG)

新規事業は「どうすれば、どうなるか」という因果関係がよく分からないブラック・ボックスです。ならば仮説検証型で解明していくしかありません。どういうインプット(行動)によって、どういうアウトプット(結果・反応)が得られるか。ブラック・ボックスの振る舞いをデータとして集めることで、ブラック・ボックスの特性を理解する。新規事業の科学的方法とは、実験科学的アプローチなのです。制御理論におけるシステム同定のようなものだと考えています。

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