最終更新日
3月20日

法人税を廃止しましょう!

 

posted by
石橋秀仁

前々から思っていたのですが、法人税は廃止すべきです。

本筋と関係ない3段落を削除:法人税とWACCの関係。法人税は融資に助成金を出しているようなもの。法人税がなければ資本調達の負債バイアスがなくなり、企業の自己資本比率は向上するはず。もちろん法人税がなければ最終利益・剰余金も貯めやすい。

※「日本企業は自己資本比率が高すぎる」(北野一著『なぜグローバリゼーションで豊かになれないのか)という指摘もありますが、ここでは「自己資本比率が低すぎる→上げるべきだ」という議論をしているわけではなく、「法人税によるバイアスが存在する」という議論をしていますので、異論は無いでしょう。

もちろん、その分人件費が向上し、個人の税率も上がるでしょう。そこが実際のところどうなるか、という議論も大事です。ただ、そもそも法人税と所得税という形で二段階の課税をされる複雑な構造で実態が分かりにくくなっている。

そもそも法人税は所得税の二重取り。個人に対してのみ課税すべきであって法人に課税すべきでない。つまり法人税がなくなる分だけ消費税と所得税が増えればいい。増えた最終利益はいずれ使われるわけで、いずれ消費税として課税される。また、従業員の収入には所得税が課税されるし、さらに消費税も課税される。(所得税と消費税の二重取りでもある)

税は消費税に一元化したら良いと思うんですが。その場合、社会保障(所得保障、年金、雇用保険等)は年間50万円〜(この金額はまさに政治マター)の定額給付金(ベーシック・インカム)に一元化する。つまり消費税以外の税を無くし、定額給付金以外の社会保障を無くす。

その分、税率は上がりますが、ご存じのように、実質的に税金をほとんど払っていない方はたくさんいますので、無条件に全員に現金を配るのは貧困層に有利になります。社会保障になっているわけですから。(その分の税金は消費の多い人=金持ちほど負担することになります)

あるいは、税と社会保障を「所得税(負の所得税)」に一元化する。この場合、それ以外の税や社会保障を無くす。

どっちにしてもシンプルです。

(「すべて」というのは極論ですが、向かうべき地平を示す意味での極論です。私も例えば教育の外部性から教育バウチャー制度などを支持します。ただ、それは学校への助成金ではなく、利用者へのバウチャーであるべきだと思いますが)

税制にしても社会保障制度にしても、管理費用(政府の費用)を減らすには、人為性・裁量の少ない制度にすることにつきます。極端な話、すべて電算化すれば職員数は10分の1以下にできるでしょう。しかし、そのためには裁量(人間の判断)が邪魔です。裁量がなければ機械化できるということです。

アゴラ : 法人税の減税を - 池田信夫

オバマ米大統領が、法人税の減税に言及しました。「法人税は不合理な税だ」というのは、半世紀前にフリードマンが指摘して以来、経済学者のコンセンサスです。Alesina-Zingalesは投資減税を提言し、Barroは「法人税の廃止がベストだ」としています。オバマ政権の顧問であるReichも、法人税の廃止を提言しています。

最大の障害は「大企業優遇税制だ」という類の政治的な批判です。これは資源配分と所得分配を混同して問題をイデオロギー化する誤りで、オバマ氏の世代には無縁だと思いますが、日本では野党が許さないでしょう。ただ、アメリカでバラマキ財政政策に効果がないことがはっきりすれば、投資減税や法人税減税が検討される可能性はあります。所得分配は、民主党も提案している給付つき税額控除(負の所得税)で補正すればよい。これによって合理的な税制改革が行なわれるとすれば、経済危機も災い転じて福となるでしょう。

なお「大企業優遇税制だ」という類の政治的な批判がナンセンスなのは、「税の帰着」という概念で説明できます。『マンキュー経済学』より:

法人税は、租税政策における税の帰着の重要性を示すよい例である。法人税は有権者には好評である。結局のところ、法人は人間ではない。有権者は自分の税をへらしてもらい、人間ではない法人に勘定を支払ってもらうことに熱心である。

しかし、法人税は政府が収入を得るよい方法であると決める前に、誰が法人税を負担するのかを考えるべきである。これは難しい問題で経済学者の意見が一致しないが、一つのことだけは確かである。それは、すべての税を支払うのは人間である、ということである。政府が法人に課税するとき、法人は納税者というよりも徴税人になる。税の負担は究極的にはその法人の所有者、顧客、労働者といった人々にかかるのである。

多くの経済学者は、法人税の大部分は労働者と顧客が負担すると信じている。(略)

法人税は、税の帰着の蝿取り紙理論がどれほど危険であるかを示している。法人税の評判がよいのは、豊かな法人によって支払われるという理由も一部にはある。しかし、顧客や労働者といった究極的に税を負担する人々は、豊かではないことが多い。もし法人税の真の帰着がもっと人々に知られていれば、この税が有権者の間でこれほど人気を得ることはなくなるだろう。

「税の帰着の蝿取り紙理論」とは、税を負担させたい集団から徴税すれば、その集団が税を負担する、という理論です。しかし、実質的な税の負担(税の帰着)は、徴税対象とは一致しない、まさに法人税がそれだ、ということです。

ほかに2つほど法人税廃止に関する議論を紹介します。

Commentary: Libertarian ideas to stimulate economy - CNN.com

Repeal the Corporate Income Tax: Repeal would spur investment, improve the transparency of corporate accounting, slash compliance costs, and avoid the distortions caused by the special-interest provisions in the tax code. Repeal can work fast, by raising companies' share prices, increasing cash flow, and allowing corporations to lessen their need for bank lending.

法人税撤廃:投資を促進し、会計の透明性を高め、法令遵守の費用を減らし、特定利益集団による税法の歪みも無くす。株価上昇、キャッシュフロー改善、借入依存度の低下という効果がすぐに出るだろう。

Thus repeal provides short-run stimulus and enhances long-run efficiency.

従って法人税撤廃は短期の景気刺激と同時に長期の効率性向上をもたらす。

金融日記:高い法人税は強烈なビルトイン・デスタビライザーである

さらに深刻なのは中小企業です。

景気がいい時は、政治家や役人に無駄遣いされれぐらいならお金をドブに捨てたほうがいいと思って、銀座や六本木のキャバクラで会社のお金を散財しています。

だからぜんぜん内部留保ができていないわけです。

よって景気が悪くなるといっぺんに資金ショートして倒産してしまうのです。

そうするとそこで働いていた従業員も失業して社会問題になります。

今までの議論で明らかなように、日本の40%の法人税は経済の強烈は不安定化装置になっているのです。

高い法人税は百害あって一利なしですね。

日本国政府ももう少し頭がよくなってくれないものでしょうか。

どうすれば変えられるか。

政府にお願いしても仕方ないですね。政府には、そうするインセンティブがない。

政治になら頼ることができる。我々有権者が行動すれば、変わります。

できれば、政策の帰結を理解するための勉強を続けたいですね。1段階論理の正義に陥らないためにも。

  • 政治経済をよく知り、自分の政治的スタンスを明確にすること。
  • 人々が政治的な意見を表明すること。
  • 投票すること。

これで変わります。変えられます。

政治は、他人事ではなく、自分事なんです。

政治参加しましょう!

※なお、私の政治的スタンスはプロフィールに書いたとおり「リバタリアニズム」です。ですから特定の支持政党はありません。政局、政策、候補者を見て都度投票をしています。逆に、そういう私のような人間にとって、投票以外で政治的スタンスを表明する政治参加が社会貢献につながると思っています。J.S.ミルの言うように、意見の多様性は常に人類に貢献し、それが言論の自由を守るべき最大の理由でもあるのです。

※この議論は日本国全体で考えることもできますが、地方分権(財源・財政・社会保障政策などを地方自治体が独自に決める脱中央集権)とセットで考えることも大事です。日本国内の経済は地域によって異なります。法人税撤廃の議論は進めるべきですが(不況への短期的な効果もあるため)、長期的には地方分権も進めなければなりません。もはや日本国一律・均一の制度など実態にあわないのです。

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