村八分が怖い日本の職場
09-05-25
posted by
石橋秀仁
マーケットの馬車馬さんの「和魂と洋才とユダヤの商人」シリーズは大変おもしろい。政治哲学として共感する部分も多いです。幅広く読まれると良いですね。連載の続編に期待します。
困ったときにはすぐに助けがほしい。でも、自分が今必要としている人が、実は昔自分が助けてあげた人でした、というような都合のいい話はなかなか無い。自分が「助けてあげられる人」と「助けてほしい人」とは、往々にして一致しないものだ。しかし、「個々人の評判」が飛び交っているような組織では、このミスマッチが問題にならない。「借りがある人を助ける」のではなく、「誰かに貸しを作った人を助ける」のだ。そのためには、「誰が誰に助けたのか」という情報、すなわち評判が、皆に共有されている必要がある。こうして、評判メカニズムは組織内の協力関係を強固なものにしていくのだ。
「欲望の偶然の一致」 (coincidence of wants) の不自由さに対する「貨幣」の発明のようです。評判メカニズムは貨幣市場のように機能しているのかもしれません。
これが成立するのは(馬車馬さんの議論における)マグレブ型がギルドの延長のようなものだからかもしれません。長期的な取引関係を前提としており、裏切り者はその市場から排除されるというペナルティが、正直を最善の戦略にするという。(繰り返し囚人のジレンマゲーム)
お互いを特定しやすいので(特別な仕組みを用意しなくても)信用情報が蓄積されやすい、という面もあるでしょうね。逆に、匿名性が高く、同じ相手と再び取引する機会が少ないような場合、信用情報機関などの高度なメカニズムが必要になります。
ギルド社会は村八分という仕組みを作ることで、法規制に頼らず安心して商売が出来る仕組みを作った。その一方で、ギルドメンバー間でしか取引が出来ず、人材の多様性には難があった。
マグレブ型の集団主義的なギルドシステムは、日本を含めアジアで多く見られる社会システムだ。
ただ、依然として取引コストが高いかもしれないですね。「自分が誰をどれくらい評価するか」という情報を「誰に対してどのくらい正直に開示するか」という意志決定については、戦略的ゲームの要素がありそうです。有力者に連なる派閥が生まれ、対立したり、といった社内政治。ちょっとジメジメしてる感じです。
こう書くと性悪説みたいに受け取られるかもしれませんが、そうではなく、単にそういう要素もあるということです。問題は各要素の強さ、混合率であって。(すべての会社がこうなるわけでもないでしょうし)
もっとはっきりと、各人の各人に対する評価を数値化できれば、ドライで取引コストの低い方式になるんでしょうけどね。それがいいかどうかは場合によるでしょうけれど。(まあ、それが「いい」と思って当社では社内市場設計を進めてるわけですが)
そういえば、あまり関係ないですが、こんなアイデアも:
相対値貨幣はとても素朴な発想から生まれた。価格が感謝の気持ちの表れなら、当然それは伝播すべきだ。AさんがBさんに0.4をあげて、BさんがCさんに0.2をあげたら、AさんはCさんに0.08あげるようなシステムができないだろうか。








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