最終更新日
4月22日

人材採用のジレンマ(二種類の過誤)

 

posted by
石橋秀仁

偽陽性(採っちゃいけない人を採ってしまう間違い)を防ぐために有効な考え方です。ちなみに「偽陽性」(ぎようせい:タイプIエラー/第一種の過誤)というのは、統計学の言葉で、いま勝手に私が人材採用に適用しましたが。→第一種過誤と第二種過誤

「スタンフォード・ショッピングセンター・テスト」

要領はこうだ。あなたがどこかのショッピングセンターにいるとしよう。そこでひとりの採用候補者(あるいは従業員、パートナー、サービス業者など)を見かける。向こうはこちらに気づいていない。このとき、あなたには三つの選択肢がある。

(1)駆け寄って挨拶する。
(2)出くわしたらしかたないと考える。出くわさなかったら、それもそれでかまわない。
(3)クルマに戻って別のショッピングセンターへ行く。

直感やその二重チェックの結果がどうあれ、駆け寄って話をしたい人だけを雇うべきである。(2)や(3)を選びたくなる人なら雇うべきではない。人生は短い。生まれつき気に入らない人間と仕事をしているひまはない。立ち上げ間もない小さな組織ではなおさらだ(ちなみに、すでに雇っている人について(2)か(3)を選んだ場合は、関係を改善するかその人を追い出すかである)。

『完全網羅 起業成功マニュアル』ガイ・カワサキ著、三木俊哉訳 p.166-167

このテストの必要性を実感します。というのも、実践しています。

私は何度も採用に失敗して、この方法を獲得しました。私は100%オーナー経営者ですから、「採用の失敗」は「自分個人の資産(ポケットマネー)で数百万円の買い物を失敗した」というのに近いです。かなり深刻です。それなのに、何度も失敗しました。まあ怪我の功名で、ガイ・カワサキ氏と同じ方法を独自に獲得する程度には何かをつかめたわけですが、、、なんていうのは単なる自慰行為です。知ってれば避けられた失敗であり、こういうのを「しなくていい失敗」といいます。(つくづく「知識は武器だ」と思います)

捕捉しておきます。応募者を受身で審査しないほうがいい。応募してこなくても、こちらから声をかけて雇いたい人物かどうか考えないといけない。

ついつい、「与えられた選択肢の中から選ぼうとする」のは人間の自然な考え方ですが、それはもちろんベストではない。言われれば分かりますが、ついつい心理的なバイアスで「与えられた選択肢の中から選ぼうとする」のが人間です。とくに同時期一括採用している新卒採用なんてその傾向が強まるのではないでしょうか。

応募者を面接するとき、いったん「応募されたこと」を忘れてみる。そのうえで、「スタンフォード・ショッピングセンター・テスト」を実践する。自分から声をかけたい人物かどうか。

こうすれば「採っちゃいけない人を採ってしまう間違い」(偽陽性)が減らせる、と考えて実践しています。

もちろん、これを追究していくと、「採るべき人を採れない間違い」(ぎいんせい:タイプIIエラー/第二種の過誤)が増えます。偽陽性(採っちゃいけない人を採ってしまう間違い)を減らせば、偽陰性(採るべき人を採れない間違い)が増えます。あちらを立てればこちらが立たず。これは不可避なトレードオフです。

ですから、どちらを選ぶか、というのが重要です。これはリスク選考にもよりますから正解のない選択問題です。

それで、私は人材採用で冒険したくないので、偽陽性(採っちゃいけない人を採ってしまう間違い)をなるべく減らす方針をとります。偽陽性では、実際に数百万円の損失が発生するんですから。

なお、偽陽性(採っちゃいけない人を採ってしまう間違い)をゼロにするための方法は簡単です。採用しないことです。一方、偽陰性(採るべき人を採れない間違い)をゼロにするのは難しいですが、極限まで下げたいと思ったら、こうすればいい。採用選考(選別)をしないことです。来るもの拒まず、どころか、敷居を下げてヘッドハンティングしまくる。もちろん、どちらも極端なので、あなたの選択は、この両端の間にあるはずです。

おわりに、この議論と直接は関係ありませんが、私は正社員雇用よりも個人事業主を雇う(業務委託)ほうが好きです。正社員は十分な選考・選別を試用期間を経て採用します。また、「業務委託から正社員雇用」というパスや、「副業・在宅アルバイトからの正社員雇用」というパスを用意しています。

トレードオフを解消する方法の一つは「ゲームのルールを変えること」です。正攻法の正社員採用を見直すことで、トレードオフが緩和されるということです。

とはいえ、そのような工夫にも限界があります。労働法、派遣法、下請法などの規制のせいで、候補者とwin-winになるはずなのに採用できないアイデアが出てきたりします。働く人を守るかのような法律も、実態として働く人から雇用機会を奪っている、とよく指摘されますが、机上の空論ではなく、日々実感しています。雇いたい人が雇えないことを「雇用機会の損失」と呼ぶわけで。

最後にぶっ飛んだ話をしますが、そもそも「会社が人を雇う」という発想、固定的な関係性の認識が、時代にそぐわなくなってきている。本質的には「人が会社を雇う」という面もあるのに、それが無視されている。こういう企業観・労働観の解体、および新しいビジョンの提示も必要だと思って、取り組んでいます。いわばポストモダン・カンパニーの確立を目指して。日本国法の中で可能な限りのハックを試みています。詳しくは後日あらためて。

[PR] POPit運営ブログ: 手書き風のPOPで商品をズバリとオススメ! はじめまして「POPit(ポップイット)」です!


Powered by POPit


Powered by POPit


Powered by POPit


Powered by POPit


Powered by POPit

コメント

ZEROFACESではコメントは認証制です。
コメントは投稿審査してから、エントリのページに反映されます。 少々お時間を頂きますが、どうかご了承ください。

トラックバック

トラックバックURL:

http://zerobase.jp/mt/mt-tb.cgi/424

Twitterに市の苦情窓口(行政プロセスの可視化)

Twitterのハッシュ・タグ(hash tags)