メモ:ベンチャーと中小企業の違い
10-03-15
posted by
石橋秀仁
- 狭義のベンチャー "high growth venture"
- 中小企業 "small business" / "life style venture"
ー「high growth venture」は、核となるコンセプトや技術があって、それを市場にもたらすことを目的とした若い会社。5年間程度で50億円規模の売上げを達成するような、急激な成長カーブを想定する。ー
ー「中小企業」は、核となるコンセプトや技術はあることはあるが、「それで世の中を制覇しよう」という野望は薄い。仕事を受注しながら、利益がでたらだんだん業容を拡大して成長していく。ー
ー 「中小企業は駄目で、high growth ventureがいい」というのではない。この二つは違うタイプなのだ、というだけだ。ー
ー経営の箸の上げ下ろしまでこまごまと口を出してくる外部資本(ベンチャーキャピタル)などいれずに、自分の好きなペースで仕事をしたい、という「中小企業」型会社だってある。そういうのは、「small business」。またの名を「life style venture」という。「世界制覇」の野望より、「小さくても一国一城の主となって働きたい」という「ライフスタイル欲求」を実現するための会社、という意味。 ー
スモールビジネスとベンチャービジネスは違う
日本の人と話をすると、AmazonやeBay的な急成長メガベンチャーの世界よりも、職人的でコツコツしたCraigslist的なスモールビジネスの世界に共感する人が多い。たしかにスモールビジネスは素晴らしいと思う。僕も自分でやっているくらいだから、スモールビジネスが大好きである。事業がスモールビジネスであり続け、exitもせず、成長も希求しないこと自身に、何ら問題はない。
唯一の問題は、スモールビジネス・オーナーが、自らをスモールビジネス・オーナーと自覚せずに、ベンチャー経営者だと勘違いして、ベンチャーの流儀で「夢」などを語って、人やカネを集めることだ。そして、当然の約束としてexitを期待した人から見て「リビング・デッド(生ける屍)」になっても、知らん顔をすることである。それじゃあ、間違ってカネを出した人と、間違って就職してしまった人が気の毒だ。そこを自戒しさえすれば、スモールビジネス万歳、なのである。
ー「融資」はどういう企業に向いているかというと、小売店や町工場といった昔からずーと続いていて売上が大幅に伸びるという期待はできないが、来年潰れる心配もそれほどないという企業。たとえば、系列企業の下請けになっている企業。何かあっても親会社が面倒をみてくれることが多いので倒産する心配が少ない。ローリスク・ローリターンのビジネス。駅前商店街の小売店も売上が倍増することは考えられないけれど、1年に2割、3割くらいの利益がでれば、銀行に1割払っても十分元がとれる。
「融資」とは堅実なビジネス向け。ー
ー「投資」というのは、投資家が株式会社に対して、株式を買うという形でお金を提供する。「融資」のように、貸したお金を返してもらうということは、基本的には想定していない。資本金なので、基本的にはその株式会社でずっと使うお金を出資する。ただし、その株券は他の人に売れるのが「投資」。
「投資」は「融資」とは全く逆。配当は非常に高い場合もあるし、もっと大きいのはキャピタルゲイン(債券や株式など資産の価格の上昇による利益)。日本の株式の場合はキャピタルゲインの方がはるかに大きい。配当性向はそれほど高くない。
グーグルの場合だと、最初に110万ドルを出資し、今の時価総額が1500億ドル。10万倍以上。
その代わり、会社が潰れてしまった場合には、会社の資産を自分のものにするという条項はない。 ー
ーよく、ベンチャー・キャピタル自身が資本家だと思っている人がいるが、ベンチャー・キャピタルという資本家はいない。「ベンチャー・キャピタリスト」というのはいない。ベンチャー・キャピタルというのは、超お金持ちの人の資産を運用する人たち。ー
ーレストランや洗濯屋はいくらでもあるのだが、それらはベンチャー・キャピタルの投資対象にならない。最低でも3割くらいのリターンがとれないとポートフォリオが組めない。ファンドが組めない。ファンドはお客さんに年率2割程度を返さなきゃいけない。ー
ー行政の人は融資と投資の違いをきちんと理解していない。低利や無担保で融資すればベンチャー企業が育つと思っている人が多い。ー








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