ソフィ 生理日管理&生理不調ケア
ユニ・チャーム株式会社(以下、ユニ・チャーム)が提供するアプリ「ソフィ」の開発プロジェクトに、2019年から2023年にかけて参画。ゼロベースからはUXデザイナー/ディレクターの五十嵐佳奈と、テクニカルディレクター田中孝太郎の2名が参加しました。
女性に寄り添い続けてきた「ソフィ」の想い
ユニ・チャームは、女性の社会進出が進む中、生活習慣の変化やストレスの負荷により、生理にまつわる不調を訴える方が増加している事実を憂いていました。そこで生理日管理に加え、24の体質タイプ診断に基づき、生理痛やPMSなど生理にまつわる悩みをサポートするアプリの開発を決意します。
そこへ開発パートナーとして、0→1の立ち上げに強いゼロベースが加わりました。田中と五十嵐がデジタルプロダクトの専門家として技術面・デザイン面からアドバイスを行いつつ、自ら手を動かし、2人で一気にプロトタイプ版アプリ(iOS)を立ち上げます。
生理管理アプリは、ユーザーの身体に関するデリケートな内容を扱います。さらに競合アプリが数多くあり、ユーザーはちょっとした違和感ひとつで使うのをやめてしまうかもしれません。本プロジェクトの最大の難関はこのセンシティブなテーマ性にありました。
だからこそソフィアプリは、「毎日つかう道具」として当たり前に使えるよう、シンプルに削ぎ落としたデザインとスムーズな操作性を目指しました。その結果、プロトタイプ版の時点ですら、アプリとしてほぼ完成の域にありました。
ユーザーにとってのアプリの体験価値
2020年、プロトタイプ版はたくさんの女性にテスターとして協力いただいて、アンケートとインタビューを実施します。
そうしてテスターの反応を分析して見えてきたのは、使いやすさだけではない、ユーザーにとってのアプリの体験価値でした。私たちはユーザーにどのような利用体験を届けられるのか。アプリを通じて彼女たちの日々をどのように変えていけるのか。開発チームの目線が揃い、目指すアプリの姿が見えた瞬間でした。
ゼロベースはこの価値を最大限発揮できる形にすべく、アプリを全体的に見直し、改善策を提案します。さらに細かい調整をいくつも重ねて、2021年3月ついにiOS版とAndroid版のソフィアプリを正式リリースしました。
正式リリースからのプロダクトの成長
正式リリース後もアプリの機能を次々と拡張し、生理管理にとどまらない女性の体調管理アプリへと成長を遂げました。充実した機能を実現しつつ、いまでもシンプルな使いやすさがユーザーから高く評価され続けています。
その背景には、機能拡張においてもプロダクトに寄り添い、幾度となくリサーチとプロトタイピングを繰り返す、ゼロベースらしい開発姿勢があります。
チーム
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田中孝太郎
テクニカルディレクター豊橋技術大学大学院 並列処理研究室を卒業後、組み込みソフトウェア開発会社、美術大学助手を経て2005年にゼロベースに参画。フルスタックエンジニアとしてバックエンド、フロントエンド、ネイティブアプリの開発を手掛けるほか、プロトタイプ制作からサービス開発のディレクションなど幅広く従事する。紙の本と電子書籍を同時に制作・配信可能なウェブサービス「BCCKS(ブックス)」では組版エンジン、編集エディタの開発を主導し同社の取締役も務める。2002年から現在まで女子美術大学にて情報メディアやデザインの領域で講師を務めるほか、2007年から10年間は東京芸術大学でもプログラミング教育の教鞭を執る。技術と文化、芸術を横断しながら活動し、書籍や雑誌での記事執筆も多数。 -
五十嵐佳奈
UXデザイナー/ディレクター産業技術大学院大学 人間中心デザイン修了。インターネット広告の事業会社にてウェブサービスや広告プラットフォームのUIデザインを担当。同時にデザインコミュニティやスタートアップ支援NPOを複数運営してきた。ゼロベースではサービス立ち上げ時の「一人目デザイナー」として、サービスデザインからUIデザインまで幅広く担当。案件分野は交通、ヘルスケア、HR、業務システムなど多様。デザインリサーチやワークショップも行う。多様な人と会話して、視野を広げることが好き。共訳書に『カラー・アクセシビリティ』『デザイニング・フォー・サービス “デザイン行為”を再定義する16の課題と未来への提言』、共著論文に『デジタルアーカイブをデザインする』など。学芸員資格保有。