Zaの市場メカニズム(社内取引)

セルフマネジメント・テクノロジーZaの市場メカニズム(社内取引)について説明します。

「取引」という概念

一般的に、従業員が仕事をするうえで、社内では「上司」や「部下」や「同僚」と関わりを持ちますし、社外の「顧客」や「委託先」(外注先)とも関わりも持ちます。

それらすべての関係者を「取引相手」と考え、自分が売り手あるいは買い手として関わるすべての「取引」を帳簿につけることがZaの基本的なルールです。

つまり、上司や同僚からもらった仕事を「売上」として記帳し、同僚や部下へ振った仕事を「費用」として記帳するのです。同様に、社外の顧客からの「売上」や、外注先への「費用」も記帳します。

取引種別の図

Zaにおける「取引」は、具体的には次のようなものになります:

  • 「リーダーからプログラミングの仕事を頼まれたので、見積もりを提出して、受注した」
  • 「デザイナーにバナー広告のデザインを相談したが、見積もりが少し高かった。見積もりには『素材代』が含まれていたので、すでにこちらで保有している素材を提供することにして、見積もり総額を下げてもらった。そのうえで発注した」

このように、社内の仕事の依頼でも「見積もり」というプロセスが入ってきます。これがZaの最大の特徴です。

契約自由の原則

「見積もり」があるということは、「価格交渉」がありえるということです。また、双方が取引について合意に達しなければ、取引は成立しないということです。要するに「取引の自由」があるのです。

まさに市場における商取引のように、誰も取引(契約)を強制されません。この「契約自由の原則」こそ、社内に市場メカニズムを持ち込むための鍵なのです。

一人ひとりが自己の利益を追求した結果として、会社全体の利益が実現されます。それが組織内に市場メカニズムを導入するということです。その要件として「自己の利益を追求する自由」が必要なのです。

市場メカニズム

「一人ひとりが自己の利益のみ追求しては、組織はメチャメチャになってしまうではないか」と思われるかもしれません。しかし、まさに私たちが日々経験しているように、市場経済においては「自己の利益の追求すること」こそが社会全体の福利厚生を高める原動力になっています。その背後には市場メカニズムがあります。経済学の定説です。

もちろん、すべてを市場を任せる「自由放任主義」では、ときに失敗も起こります。いや、ほぼ間違いなく大きな失敗につながるでしょう。そこで、国家は市場に介入します。同様に、Zaにおいても市場への介入が必要となります。それを担うのが「本部」です。

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